弁護士の林 孝匡です。
ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁 R3.7.13)
妻が、飲食店経営の男性とねんごろに。
怪しんだ夫が探偵に妻の行動調査を依頼。探偵は、妻が浮気男性の自宅に宿泊していることをつきとめます。
浮気相手の男性「奥さんの車にGPSをつけて奥さんの行動を把握してます。違法です!」
裁判所「いや、合法です。探偵の調査結果から不貞を認定します。慰謝料150万はらえ」
以下、事件の詳細を解説します。
※争いを一部抜粋して簡略化※判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
どんな事件か
- 夫
- 浮気妻
- 子ども2人
- 浮気相手(以下「Y男」)…飲食店を経営
平成29年ころ、妻がY男に「飲食店を経営したい」と話し、Y男の店を手伝うようになりました。
妻の帰りが遅くなるなどが続き、夫が怪しんだのかもしれません。夫は探偵に妻の行動調査を依頼します。
その結果、夫は探偵からお泊まりの証拠をゲットしました。
それを証拠として、夫はY男に「慰謝料を払え」と裁判を起こしました。
裁判所のジャッジ
裁判所「Y男は夫に150万円払え」
ーー 決め手は?
裁判所「探偵の調査報告書です。↓ コレを押さえているからです」
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・9/3
午後11時30分すぎにY男のマンションに入って泊まり、翌日の午後2時すぎにマンションから出てきた
・9/10
午後10時ころからY男ら10人と飲食。深夜2時ころY男のマンションに泊まり、翌日の午後1時ころにマンションから出てきた
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SEXしてない?
Y男「ちょっと待ってください!SEXしてません!」
ーー と言いますと?
Y男「奥さんが私のマンションに入ったり泊まったりしたのは、お店の会計事務処理をしてもらっていたり、お酒を飲んで帰れなくなった奥さんから頼まれたからです。あと、泊まったときも奥さんはベッドで寝ましたが、私はリビングで寝ておりSEXしてません!」
ーー ん?奥さんも挙手してますね。どうぞ
妻「SEXしてません。私とY男さんは個人的な話をするほどの仲ではありません。店主と従業員のような関係です。さらにY男さんからは『近づかないで』と言われていたんです。泊まったのは事実ですが、それは飲み会のあとにY男さんから『疲れているならウチで休んでいい』と言われたからです。Y男さんが言うように別々に寝たのでSEXしてません」
ーー 裁判所さん、鉄槌を
裁判所「SEXしてると認定します!まず、会計処理うんぬん。泊まってまでやる必要性が見出せない。あと!飲み会後の休息や、お酒を飲んだので車で帰れないという理由で、男性宅に宿泊するのは考え難い行動です。男女関係があったと推認します」
探偵に依頼して泊まりの証拠を確保できれば、ほぼ慰謝料請求は認められます。裁判でいろいろ反論しても、今回のように裁判所は一蹴することが多いです。
夫婦関係は破綻していた?
Y男「としてもですよ!この夫婦の関係はすでに破綻していました。なので慰謝料請求は認められません」
たしかに、夫婦関係が破綻していれば、夫からY男への慰謝料請求は認められません。すこしカタ苦しくなりますが理由をご説明します。そもそも浮気で慰謝料が発生するのは、婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害するからです。そうすると、夫婦関係が破綻していたときに浮気相手が配偶者とSEXしたとしても、別に婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害したとはいえないからです(最高裁 H8.3.26)
ーー 裁判所さん、この夫婦の関係は破綻していましたか?
裁判所「いいえ。破綻してませんね。たしかに妻は裁判で『夫とは挨拶や会話はほぼなく、お互いの行動に関心をもっていなかった』と供述してますが、夫婦関係が破綻していたとまではいえないですね」
Y男「ぐぬっ。しかーし!旦那さんは奥さんの浮気を許していたはずです。だって、探偵に依頼して奥さんの宿泊の証拠をゲットしてからも奥さんを問い詰めることはなく、別居したのもそれから1年10ヶ月後ですよ。ってことは旦那さんは奥さんの浮気を許してい
裁判所「いや、それだけで許していたとはいえないね」
一蹴されています。
車のGPSは証拠として使える?
Y男「このGPS、ダメでしょ!旦那さんから依頼を受けた探偵は、奥さんの車にGPSをつけて奥さんの行動を把握しました。そしてGPSの情報を裁判所に提出していますが、奥さんの承諾を得ず勝手につけたGPS情報は違法な手段で集められた証拠なので裁判では使えないですよね!」
裁判所「使えます」
ほかの裁判でも「GPSはOK」と判断されたものがあります(東京地裁 H25.10.9)民事訴訟では基本どんな証拠でもOKです。GPSはOKになる可能性が高いですが、【ムチャして集めた証拠】はダメ、証拠として取り上げてくれません。正確にいうと【著しく反社会的な手段を使って、人の精神的、肉体的自由を拘束するなどの人格権侵害を伴う方法によって集められた証拠】は、裁判所は「ダメ〜」と言います。浮気相手の自宅内に盗聴器をしかけるなどはアウトでしょう。
早めに探偵に依頼を
今回も、探偵の報告書が決め手となって慰謝料請求が認められたケースです。
ご自身で尾行すると失敗する可能性が高いのです。一度気づかれたらたら二度と確保することはできないので、プロである探偵に依頼するのがベストです。
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