弁護士コラム
【不倫裁判例】示談後も不倫旅行が発覚して大変なことに?

ホストの夫が起こした不倫旅行事案

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁R4.4.25)

ーー 奥さま、何にお怒りで?


「旦那が浮気したんです。探偵の報告書を突きつけたら素直に認めました。そして、旦那の浮気相手に示談書を書かせて慰謝料50万円を払ってもらいました」

ーー よかったですね!これで一件落ちゃ..


「まだあります!その後も探偵に調査を続けてもらったら、不倫旅行に行ってました」

妻が提訴した結果、プラスアルファで170万円の慰謝料を獲得できました。以下、分かりやすく解説します。

※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換

執筆者
林 孝匡
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。情報発信が専門の弁護士です。多くのwebメディアで法律知識をお届け中。

当事者


  •  昭和61年生まれ
     子どもナシ

  •  昭和62年生まれ
  • 夫の不倫相手(以下「Y子」)
     年齢不明

夫婦のなれそめ

同じ大学で知り合いました。入学ほどなくして交際がスタートし、卒業のころに同棲をスタート。そして8年後に結婚しました。

夫のマッチングアプリ遊び

結婚して約1年後のこと。夫がマッチングアプリ遊びに手を染めます。アプリを通じてY子と知り合い、LINEでやりとりするようになりました。

翌月にはデートに誘います。夫は「自分は既婚者である」ことを伝えてホテルに誘いましたが、Y子は断りました。

肉体関係

しかし、その2ヶ月後には肉体関係を持ちます。それが約7ヶ月つづきました。

妻がLINEを発見!

夫とY子のラブラブが続いていたかたわら、ある日、妻が夫のタブレット端末を見ました。

妻の目に飛び込んできたものは!

夫とY子のLINEやりとりです。妻は「こりゃヤっとるな」と感じたのでしょう。探偵に夫の行動調査を依頼しました。

探偵の調査結果

離婚や慰謝料請求には証拠が必要

探偵が夫の行動を調査した結果、【夫とY子がホテルに入る】ところを押さえました。Victoryです。

妻が夫を問い詰める

妻は「あなた不倫しているでしょ」と夫を問い詰めました。はじめ夫は浮気を否定していましたが、おそらく妻が探偵の報告書を突きつけたのでしょう。夫は浮気を認めました。探偵の報告書つよしです。

妻がY子と直談判

妻は示談書を作成して、Y子にサインをもらうことにしました。かなり行動的な妻です。Y子と直接会い、以下の示談書にサインしてもらいました。

====

  • 慰謝料50万円を支払う
  • 不倫関係を解消する
  • 今後、いかなる理由があろうとも夫との一切の関わりを断つ
  • これに違反した場合には違約金30万円を支払う

====

その後、Y子は50万円を振り込みました。

夫が家を出る 

夫は、もうイヤになったのでしょう。家を出ます。妻に離婚届を渡して「離婚してほしい」と伝えたのですが応じてくれなかったからです。

そしてY子にプロポーズします。「妻とは離婚するつもりだ。別居している。あなたと付き合いたい」と愛の告白をしました。

探偵のナイスプレー(2回目)

ある日、夫がY子と旅行しました。なんと!妻は探偵に調査を依頼しており、その旅行現場を探偵が押さえました。探偵から報告を受けた妻がホテルに突撃。修羅場になったことは確実でしょう。

その後、妻がY子に対して慰謝料請求訴訟を起こしました。

裁判所のジャッジ

裁判所
「Y子は妻に慰謝料170万円を払え」

ーー 示談してY子は50万円を払ってますが?

裁判所
「示談日までの不倫は50万円で清算できてるけど、問題は示談後の不倫なのです」

ーー あぁ〜。不倫旅行のヤツですね。170万円って結構たかい印象を受けるんですが、なぜここまで高額に?

裁判所
「示談が成立して『不倫関係を解消することや一切関係を断つ』ことを約束したにもかかわらず、それから約1年がたったころに旅行にいって再び不貞行為に及んでおり、これにより夫婦関係は破綻の危機に瀕したからです」

不倫旅行現場を押さえた探偵の報告書が証拠となって、170万円を獲得できたといえるでしょう。

夫婦関係は破綻していたか?

ーー ん?Y子さん挙手してますね。どうぞ

Y子
「この夫婦の関係はすでに破綻していました。奥さんは定職につかず昼夜逆転の生活を送っていました。旦那さんが奥さんの事業を立ち上げたのに奥さんが短期間で頓挫させたこともありました。

さらに奥さんは旦那さんとの性交渉を拒否していたのです。もろもろを考慮すすると、私と旦那さんが不貞行為を行った時には、すでに夫婦関係は破綻していていました」

裁判所
「いや、破綻してないね。この夫婦は約10年間、同居生活を送っており、旦那さんがあなたと浮気する2ヶ月前には、奥様の誕生日に2人でレストランに食事に行ってますから。別居後も夫婦そろってカウンセリングに行ってるし」

■ マメ知識
裁判になれば浮気相手はほぼ「この夫婦はすでに破綻していた!」と反論してきます。あまり認められないのですが、皆あがいてきます。肉体関係の前に夫婦関係が破綻していたと認定されたら浮気相手が勝つからです。

とどめの違約金

裁判所
「あと、Y子さんさぁ、違約金30万円も払いなさいよ。示談書に『今後、いかなる理由があろうとも夫との一切の関わりを断つ』って書かれてるのに、旦那さんと連絡とってるからね」

妻のファイプレーです。示談書に違約金条項を盛り込んでおけば違約金も獲得できます。ご参考まで。

早めに探偵に依頼を

探偵の報告書があったからこそ、夫に浮気を認めさせ、Y子に示談書を書かせることができたケースです。

今回の事件のように、探偵の報告書があれば交渉・裁判を有利に進めることができます。「あやしい…」と感じたら早めに探偵に依頼することをオススメします。

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