こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁 R3.9.9)。
探偵の報告書が決め手となって、慰謝料150万円を勝ちとれました。
司法書士事務所の男性経営者と、そこで勤務している女性との不倫劇。妻が女性に慰謝料請求しました。
以下、詳細を解説します。
※争いを一部抜粋して簡略化
※判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物
- 妻…S37生
- 子ども2人(長男・次男)
- 夫(以下「A男」)…S35生、司法書士事務所を経営
- 夫の不倫相手(以下「Y子」)…A男の事務所に務める行政書士、夫と子どもあり(A男と不倫関係に陥ったのち離婚)。
職場不倫です。司法書士事務所の経営者が、そこに勤める女性と不倫関係を続けたのです。
夫婦関係はあまり良くなかった

この夫婦は、平成2年に結婚。平成11年に長男が生まれたくらいから性交渉はなく、寝室も別になりました。そんな感じで一応は結婚生活を送っていたところ…
ラブ・ストーリーは突然に
平成20年ころ、A男がY子と出会います。A男が行政書士試験の予備校で講義をしていたところ、Y子がその講義に参加したのです。その年の4月には男女の関係になりました。
はい、ダブル不倫です。Y子には夫がいましたから。ちなみにY子は、A男と不倫を開始してから5年後には夫と離婚しています。
Y子が離婚したころ、行政書士試験に合格し、A男の事務所で働くことになりました。
探偵に依頼
女性のカンが働いたのでしょう。妻は、探偵に夫の行動調査を依頼しました。探偵が調査した結果、夫の以下の行動が確認されました。
====
- 午後8時ころ、A男とY子が定食屋でご飯を食べたあとA男の事務所に戻る
- その後、午後10時ころ、2人が電車に乗り●駅の改札でA男がY子を見送った
- 2人が手をつないだり、A男がY子の腰に手を回したりしていた
====
う〜ん。仲睦まじい様子は確保できたのですが、ホテルへの出入りや宿泊の証拠は押さえることができず…。妻は歯がゆい思いをしたことでしょう(※のちにリベンジを果たします)。
夫が家を出る
約5年後、夫が家を出ます。妻には「仕事が大変だ、通勤時間や体調を考えて平日は事務所の近くで生活したい、土日は自宅に帰る」と説明しました。
キス写真発見!
妻は「コレまた怪しい…」と疑惑を持ったのでしょう。夫がいない時に、夫の部屋に潜入。
部屋に置いてあった財布をゴソゴソしたところ、キョーガクの写真が出てきました。夫とY子が抱き合ったり、頬を寄せあったり、キスしたりしている写真です。判決文には「写真シールを撮影」と書かれていたので、プリクラなのでしょうか。
探偵に依頼(リベンジ)
「もう生かしちゃおけねぇ…」ということでしょう。妻は再度、探偵に夫の行動調査を依頼しました。
結果は・・・おめでとうございます!お泊まりの証拠を確保できました。「A男とY子がA男の自宅に入り、翌日に出てきた現場」の撮影に成功したのです。
離婚訴訟バトル

その後、夫から離婚調停を申し立てましたが、調停不成立。夫は離婚訴訟を提起しますが負けます。
提訴理由は「婚姻関係が破綻しているとはいえない」「夫は有責配偶者だから」というものです。浮気しておいて「離婚したい」だなんて基本認められないのです。
さて、妻の反撃です。探偵の報告書を証拠として、妻がY子に対して慰謝料請求の訴訟を起こしました。
裁判所のジャッジ
妻の勝訴です。
裁判所は「Y子は妻に対して慰謝料150万円を払え」と命じました。決め手は探偵の報告書です。お泊まりの証拠があればまず勝てます。
慰謝料150万円!高額になった理由は?
3ケタに乗ったので結構高い印象です。裁判所が挙げた理由は以下のとおりです。
====
- 婚姻期間が長期(約30年)
- 不貞期間も長期(約13年)
- 不倫が婚姻生活の平穏に及ぼした影響は大きい
- 現在も不倫関係を続けている
- 裁判でY子は「今後もA男と関係を続ける」と述べている…etc
====
というわけで閉廷!なのですが…
婚姻関係が破綻していた?
Y子「この夫婦の婚姻関係は、すでに破綻していました!なので私は慰謝料を払わなくていいはずです」
そもそも浮気で慰謝料が発生するのは、婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害するからです。
そうすると、夫婦関係が破綻していたときに浮気相手が配偶者とSEXしたとしても、浮気相手は夫婦の権利を侵害していることにならず慰謝料が発生しないのです(最高裁 H8.3.26)。
―― Y子さん、この夫婦の婚姻関係が破綻していることを裏付ける事情は?
Y子さん「以下のとおりです」
- 寝室が別で性交渉がなかった
- Y子がA男の仕事の大変さを理解せず「家事に協力しない」と非難した
- A男は「結婚生活は難しい」と考えていた
- Y子がA男に「子育てに非協力的だ」と非難した..etc
―― 裁判所さん、いかがですか?
裁判所「婚姻関係は破綻していないね」
そうなんです。裁判になれば浮気相手はほぼ「この夫婦はすでに破綻していた!」と反論してきますが、裁判所が認めることはあまりありません。
ウソの説明?
Y子「としてもですよ!A男さんが『夫婦の関係はうまくいっていない』と言っていたので、私それを信じて…」
裁判所「夫婦は外観上は円満な夫婦関係を維持しており、かりにA男の説明がウソであったとしてもそれを信じるべき状況にはなかった」
一蹴されております。「最近、妻とうまくいってないんだ…」なんて言われたとしても、慰謝料額が下がることはありません。
早めに探偵に依頼を

今回も、探偵の報告書が決め手となりました。裁判になると、相手はいろんな反論を繰り広げてきますが、押さえるところを押さえていれば負けることはありません。
浮気期間が長ければ長いほど慰謝料が上がるので、「あやしい…」と感じたら早めに探偵に依頼することをオススメします。

まずはお気軽に
無料相談をご利用下さい。
探偵社FUJIリサーチでは、人探し、行方調査、浮気・不倫調査、結婚詐欺調査などを承っております。
テレビ番組等への調査協力など、メディアからも信頼をいただいている独自の調査ノウハウで、皆さまのお悩み解決をサポート致します。
- 家族が家出した。急いで居場所を探したい
- 40年前の恩師を探してお礼を言いたい
- 恋人が浮気をしているかも。証拠を集めたい
- 配偶者が不倫している。離婚裁判で有利になる資料を集めたい
- 婚約者に金銭を要求される。結婚詐欺かも?

こんなお悩みを抱えている方は、お気軽に匿名無料相談をご利用下さい。最適な調査プランのご提案、料金のお見積りを無料でご対応致します。
※24時間365日、いつでも無料でご利用いただけます。