家出や失踪の行方調査・所在調査などを行う場合は、探偵事務所・興信所への依頼がおすすめです。
自力で人探し調査をする場合には調べられる情報が限られますし、警察へ相談しても重要な事件が優先され、なかなか調査をしてもらえないというケースも珍しくありません。
とは言え、探偵事務所に依頼して本当に見つけてもらえるのか、その成功率や調査方法も気になりますよね。
ここでは、探偵事務所に人探しを依頼した場合の成功率と、成功率を上げるためのポイントを解説。
警察へ依頼した場合との成功率の違いなども紹介しているので、人探しでお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
この記事は、下記のような人におすすめです。
- 探偵事務所や興信所が行う人探し調査の成功率を知りたい人
- 警察に行方不明者の捜索を依頼した場合の成功率を知りたい人
- 探偵事務所・興信所でどんな人探し調査が行われるか知りたい人
探偵社・興信所が人探しをする際の方法
探偵事務所や興信所では、主にデータ調査や聞き込みによって人探し調査を行います。
まずは、探偵事務所における人探し調査の調査手段と、その詳細について詳しく見ていきましょう。
インターネットによるデータ調査
インターネットの普及した現代では、GoogleやYahoo!の検索エンジンを利用したキーワード検索や、SNSを活用した対象者の情報収集が多く用いられています。
人探し対象者のSNSアカウントが分かっている場合はその内容を、不明な場合は人探し対象者の趣味や所属していた団体などを検索して、本人の情報を辿ります。
最近では画像検索の精度も向上しており、人探し対象者が写っている写真があれば、写真の背景から場所や住所を特定することも可能です。
また、探偵事務所や興信所は独自のネットワーク・データベースを持っていることが多く、そこから人探し対象者を特定していくケースもあります。
データベースは名簿業者から購入しているものも含むため、基本的には資金力のある中~大手の探偵事務所の方がデータ調査の面で有利と言えるでしょう。
聞き込み・張り込み調査
聞き込みや張り込みによる人探し調査も、探偵事務所でよく使われる手段の1つです。
「聞き込み調査なら自分でもできるのでは?」と考える方も多いかもしれませんが、個人情報の取り扱いは年々厳しくなっており、簡単には情報を得られないのが現状です。
慣れない人が聞き込み調査を行っても、相手に怪しまれてしまう可能性が高いでしょう。
探偵事務所・興信所であれば、何度も聞き込みを経験しているプロの探偵が対応するため、自然な流れで接触を図ることができ、情報を得られる成功率も高いのです。
また、探偵事務所や興信所では情報提供のお礼として情報料を支払うケースもあり、通常よりもスムーズに聞き込みが進んでいきます。
自力での人探し調査が難しい場合や、情報が少ない場合こそ、聞き込み調査のプロである探偵事務所・興信所を頼ってみると良いでしょう。
その他の調査(ビラ配り・警察犬)
ビラ配りをして、より多くの人から情報を集める人海戦術も人探し調査の手段として活用されます。
また、最近では現役・または引退した警察犬を連れて人探し調査を行う探偵事務所・興信所も。
ただし、警察犬を使う場合はニオイが頼りになるため、行方不明になってから長い時間が経っている場合は活用することができません。
また、人探し対象者のニオイが残っているものを所持している必要があるため、家族・親族の家出や失踪のケースが主な活用対象となります。
家族や親族が家出してからまだ日が浅いケースでは、警察犬を使っている探偵事務所・興信所を探してみるのもおすすめです。
本当に見つかる?人探しの成功率とは
探偵事務所・興信所へ人探し調査を依頼した場合、どのぐらいの確率で対象者を発見することができるのでしょうか。
ここでは、人探し調査の成功率と、失敗した場合の費用について解説していきます。
探偵事務所・興信所の人探し成功率は70~80%
探偵事務所・興信所の人探し成功率に関する正確な統計データはないものの、その成功率はおよそ70~80%程度と言われています。
警察や役所のように戸籍や住民票から個人情報を検索するといった権限は持っていませんが、独自のネットワーク・データベースの活用や、積み上げてきた人探し調査のノウハウを駆使することで、高い成功率を維持しているのです。
また、中規模~大手の探偵事務所の場合、全国の都道府県に支店や相談室を構えており、捜索エリアを広げやすいのも特徴。
人探し調査の成功率には、いかに迅速に調査を進められるかが非常に重要になるため、適切な人員数で早く・広く調査を進めていける探偵事務所が頼りになります。
プロに頼んだからといって人探しの成功率が100%になる保証はありませんが、個人で調査する場合と探偵事務所へ依頼する場合とでは人探し調査にかけられるリソースに大きな違いが出るため、成功率も大きな差が生まれます。
成功率100%をうたう探偵事務所には要注意
人探し調査を依頼する側としては、より成功率の高い探偵事務所を利用したいと考えますよね。
しかし、人探し調査は対象者に関する情報量や正確性などで難易度が大きく変わるため、どんな依頼でも成功率が100%になることはあり得ません。
もし「成功率100%」を宣伝文句としてうたっている探偵事務所を利用すると、以下のようなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
- 成功率が低いと予想される依頼は、そもそも引き受けてもらえない
- 人探し対象者がすでに死亡していたなどの虚偽報告をされる
- 調査期間・予算を決めず、捜索が完了するまで依頼を継続させられ、費用だけが増えていく
- 実際には目的を達成していないにもかかわらず、調査は適切に行ったとして成功報酬を請求される
また、設立間もない探偵事務所で、年間数百件の成功実績を掲げているような場合も要注意。この場合も、成功率が低い依頼は断っていたり、虚偽の調査報告をしている可能性があります。
明らかに高すぎる成功率などの誇大広告でアピールをしている探偵事務所は避け、適切な運営がされている探偵事務所を利用するようにしましょう。
人探し調査に失敗した場合の費用はどうなる?
通常、人探し調査の際は「成功報酬型」の料金プランが適用されることが多いです。
成功報酬型の場合、まずは契約のタイミングで着手金(基本料金)としてある程度の費用を支払います。その後、人探し調査が成功した場合のみ、成功報酬という形で追加の費用を支払うことになります。
つまり、人探し調査が失敗した場合は、成功報酬を支払わなくて良いということです。
また調査の成功率が高いと予想されるケースでは、着手金なしで契約を行う「完全成功報酬型」のプランが適用されることも。
ただし、完全成功報酬型の場合は報酬金額が割高になっていることもあるため、一概にお得とはいえません。
料金面で不安がある方は、探偵事務所や興信所の無料相談を活用し、いくつかの事務所から見積もりをとって比較することをおすすめします。
また、探偵事務所や興信所の料金・費用の相場についてより詳しく知りたい方は、あわせてこちらの記事もご覧ください。
警察と探偵社・興信所ではどちらの方が成功率が高い?
人探し調査のうち、一部の案件は探偵事務所や興信所だけでなく警察署にも依頼することが可能です。
具体的には、下記の内容です。
- 事件性が疑われる失踪・行方不明(誘拐や拉致など)
- 未成年の家出など、対象者が危険なトラブルに巻き込まれる可能性があるケース
- 小さな子どもや高齢者の失踪など、対象者が1人で帰宅できない可能性が高いケース
こういったケースでは、警察に「行方不明者届(旧・捜索届)」を出すことで、人探し調査をしてもらうことができます。
しかし、警察に依頼した場合でも、残念ながら調査成功率は100%ではありません。
ここからは、警察へ人探し調査を依頼した場合の成功率と、警察よりも探偵事務所を利用した方が良いケースについて詳しく見ていきましょう。
警察に捜索願を出した場合の成功率は?
令和元年中において、新たに行方不明者の届出を受理した数は86,933人でした。
また令和元年中に所在が確認された行方不明者(令和元年以前の届出分を含む)は84,362人で、内訳は以下の通りです。
期間は行方不明者届出受理から所在確認までの期間を表します。
区分 | 合計 | 受理当日 | 2日 ~7日 |
8日 ~14日 |
15日 ~1ヶ月 |
1ヶ月 ~3ヶ月 |
3ヶ月 ~6ヶ月 |
6ヶ月 ~1年 |
1年 ~2年 |
2年~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
所在確認 | 71,910 | 33,640 | 24,548 | 2,448 | 2,139 | 2,739 | 1,513 | 1,480 | 1,364 | 2,039 |
死亡確認 | 3,746 | 848 | 1,643 | 285 | 225 | 290 | 141 | 101 | 54 | 159 |
その他 | 8,706 | 505 | 767 | 200 | 284 | 543 | 615 | 1,888 | 1,156 | 2,748 |
総数 | 84,362 | 34,993 | 26,958 | 2,933 | 2,648 | 3,572 | 2,269 | 3,469 | 2,574 | 4,946 |
参照:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和元年における行方不明者の状況」
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R01yukuefumeisha.pdf)
全体の数値で見ると、警察における人探し調査の成功率は約85%。
全体の約40%が受理当日、30%が1週間以内に発見され、以降は成功率が大きく下がることが分かります。
ただし、この「所在確認」には、警察が発見した数だけでなく、自力で帰宅または保護者などが発見した場合の数も含まれている点に注意が必要です。
警察が発見した数と分けられていた平成28年度のデータによると、所在確認できた行方不明者の内、警察の調査によって発見された人数の割合は約43%でした。
つまり、探偵事務所へ人探し調査を依頼した場合の成功率が70~80%であるのに対し、警察へ行方不明者届を出した場合の成功率は約30~50%と言えます。
先ほど説明したように、警察で調査をしてくれるのは、事件性がある場合や対象者に危険が及ぶ可能性がある場合です。それ以外のケースでは、いくら行方不明者届を出しても積極的に行方不明者を探してくれることはありません。
そういった理由があるために、警察の成功率が低めになっているのです。
警察ではなく探偵事務所に調査を依頼した方が良いケース
警察で調査してもらえる人探しの案件は限られていますが、探偵事務所や興信所であれば基本的にどんな依頼でも引き受けてもらうことができます(犯罪に抵触するものは不可)。
そのため、「初恋の人を探したい」「お金を貸した人が失踪したため探したい」といったような私情がからんだ人探しは、探偵事務所・興信所に依頼をした方が良いです。
また、未成年が家出しトラブルに巻き込まれる可能性があるケースでも、同じ対象者が何回も家出をしている場合には、警察でも調査の優先度が下がることもあります。
もし警察に相談してもあまり積極的に調査をしてくれそうにない場合には、探偵事務所・興信所に相談してみてください。
依頼者ができる成功率を上げるためのポイント
探偵事務所は人探し調査のプロですが、成功率を高めるには依頼者側の協力も欠かせません。
最後に、人探し調査の成功率を挙げるために依頼者ができることについて詳しく見ていきましょう。
成功率を高めるポイント①事前に提供できる情報量と質
人探し調査を依頼する際に、探偵事務所へ提供できる情報量が多く、かつ正確性の高い情報であることが成功率アップのポイントです。
探偵事務所では独自のデータベースを活用して人探し調査を行いますが、警察のように戸籍・住民票や携帯電話の履歴などを調べる権限は持っていません。
そのため、ほんの些細な情報であっても、なるべく多くの要素を探偵事務所へ伝えることが成功率アップの鍵になるのです。
例えば、以下のような情報が分かると人探し調査の成功率を高められる可能性があります。
- 対象者の名前・生年月日
- 勤務先・所属している団体
- 実家の所在地
- 交友関係・親戚の情報
- 趣味・行きつけのお店
- SNSのアカウント など
もちろん、提供できる情報が少ない場合でも探偵に依頼することはできます。しかし、名前も分からないといった場合には、やはり成功率が下がってしまうことは否めません。
成功率を高めるポイント②行方不明になってから相談するまでのスピード
警察による行方不明者の発見率を見れば分かるように、人探し調査の成功率は、初動のスピードが非常に重要です。
時間が経てば経つほど情報は古くなり、人探し対象者の状況も変化します。そのため、せっかく探偵に提供した情報も役にたたなくなってしまうこともあるのです。
また、どれだけ親しい相手でも、長期間会わなければ記憶が薄れてしまうため、時間が経つほど情報の確度も落ちてしまうでしょう。
「幼少期の恩人を探したい」などのケースは別ですが、成功率アップのためにも、基本的には行方不明と判断してから数日以内には探偵事務所や興信所へ相談することをおすすめします。
まとめ:お悩みの場合は相談だけでも早めにするのがおすすめ
今回は、人探し調査を探偵事務所に依頼した場合の成功率と、警察に依頼した場合との成功率の差を解説しました。
ポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 探偵事務所・興信所では、独自のデータベースやネットワークの活用、聞き込みなどの地道な方法を駆使して人探し調査を行う
- 人探し調査の成功率は、探偵事務所の場合で約70~80%、警察の場合は約40~50%程度
- そもそも警察では、事件性がある場合や対象者に危険が及ぶ場合にしか調査してもらえない
- 人探しの成功率を上げるには、情報の量・質の向上と、なるべく早く依頼することが重要
探偵事務所や興信所に人探し調査を依頼をした場合でも、成功率は100%ではありません。しかし、個人レベルで調査を進めるより、より成功率の高い方法とスピードで調査を進めることが可能です。
人探しの依頼内容に事件性が疑われる、または対象者に危険が及ぶ可能性がある場合には、まずは警察に相談しましょう。それでも調査してもらえない場合には、探偵事務所・興信所に相談することをおすすめします。
また、相談はなるべく早くすることが重要。遅くなればなるほど成功率は下がってしまいます。
まだ探偵に依頼するか決めかねている場合でも、相談や見積もりまでは無料で対応している探偵事務所・興信所も多くあります。悩んでただ成功率が下がっていくよりも、まずは気軽に相談するところから検討してみてください。
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