こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁 R2.5.27)
―― 奥さん、カナリお怒りなご様子ですが…
妻「夫がまた同じ女性と浮気したんです!『もう2度と会わない』と誓った3年後に再び」
妻は探偵に依頼。探偵は夫と女性の親密なデートを押さえます。そして妻は、探偵の調査報告書を証拠として、夫を訴えました。
裁判所は「夫は妻に慰謝料150万円払え」と命じました。
以下、事件の詳細を解説します。
※争いを一部抜粋して簡略化
※判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物
- 妻…S46生
- 長女…H8生
- 長男…H10生
- 次女…H14生
- 夫…S45生
- 夫の不倫相手(以下「A子」)…S41生(離婚歴と2人の子あり)
1度目の不倫

この夫婦は平成7年に結婚。3人の子どもに恵まれ、順調に仲睦まじく暮らしていたと思われます。・・・が!18年後に夫の不倫が発覚します(判決文からは発覚の経緯は不明)。
―― 夫の浮気に気づいて、どうされましたか?
妻「浮気相手のA子さんを交えて、3人で話しました…。夫とA子さんは『不倫関係をやめて2度と連絡をとらない』と約束しました
」1回目だったので、妻は許したようです。判決文からは、妻がA子さんに対して慰謝料請求したような記載は見当たらなかったので。
再犯!
1度目の不倫から約3年後。夫は再び妻にバレてしまいます。
夫が経営している会社に妻が経理で携わっていたのですが、ある日、妻が経理事務をしていたところ・・・
―― なにを発見したんですか?
妻「夫が会社の在庫品をネットオークションに出品したようなのですが、売上金の入金口座が、なんと!A子さんの口座になっていたのです」
妻が「この2人まだ続いているな!」とブチギレたことは想像がつきます。
探偵に依頼
妻は怒りを押し殺し、A子口座の件を夫には告げず、証拠あつめにとりかかりました。夫の行動調査を探偵に依頼したのです。
探偵が調査した結果、以下の事実が明らかになりました。
>====
- 2人が頻繁に外食を繰り返す
- 車内でキスをする
- 2人で山形県に行く(夫の両親に会わせるために)
- A子の母親も連れて熊本に旅行。
- 夫が借りたマンションにA子が頻繁に訪れる
- 2人でゴルフ場でプレーする(その際、夫はゴルフ場でA子に自分に苗字を名乗らせた)
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夫は、A子を奥さんとして振る舞わせていたようです。
ラブラブメール
さらに妻は、夫とA子のラブラブメールも確保します(下記メッセージは判決文より引用)
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夫「さっきのA子、スッごく綺麗だった」
A子「今朝交わったから・・・」
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夫「寝顔がとっても綺麗で可愛くて、横で寝てて幸せな気分になりました」
A子「下着の匂いを嗅がないで、すぐ帰ってね」
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妻は、探偵の報告書やメールなどを証拠として裁判を起こし、夫に対して慰謝料を請求しました。
裁判所のジャッジ

妻の勝訴です。裁判所は、探偵の報告書などを根拠として「夫は妻に慰謝料150万円を払え」と命じました。
―― 旦那さん、何か反論でも?
夫「私たちは単なる友人関係にすぎません!SEXしたことなどありません」
―― 裁判所さん、いかがですか?
裁判所「単なる友人関係とはいえず、遅くとも車内でキスしたころまでには不貞行為に及んでいたと認められる」
探偵がきちんと証拠を押さえていますからね。今回は【探偵の報告書+メール】の合わせ技で不貞行為が認定されたケースです。
メールだけだと妻は負けていたかもしれません。たしかに「今朝交わったから・・・」という、肉体関係を思わせるようなメッセージがあるのですが、「身体を寄せ合っていただけだ!」と反論される可能性があり、裁判所もそのように認定する可能性があるからです。
メールには、肉体関係を意味する直接的な言葉がないこともあるので、探偵の報告書も合わせ技で証拠提出することで、裁判官に「これだけ親密なんだから肉体関係があっただろうな…」という心証を持ってもらうことが可能になります。
慰謝料額
本当は400万円です。裁判所は150万円と認定していますが、これは、訴訟になるまでに夫が先に250万円支払っていたからです。
400万円と高額になった理由は「夫が『A子とはもう会わない』という約束を破っている、A子を妻として振る舞わせている、夫の浮気で婚姻関係が完全に破綻した」など、夫の行為の悪質レベルが高いと判断されたからです。
ブスと侮辱して1万円
さらに裁判所は「夫は妻を侮辱したから慰謝料1万円払え」とも命じました。
―― どんな状況で「ブス」と言われたんですか?
妻「メールで『ブス』と言われました。私が夫に経理関係のメールを送ったんです。具体的には『おそい!』『払うもの、税金とか保険とか沢山あるから数字を出したいんですけど!』『それとも、自動車税や資産税、保険などそちらで払いますか?私はどちらでも良いですが』と送信しました。たしかに少し詰問口調ではあったのですが…」
妻「すると夫は『ブス』と返信してきました」
―― 裁判所さん、いかがですか?
裁判所「侮辱しており違法です。妻は夫に対して強い口調で質問するメッセージを送ってはいるが、夫をののしるような内容ではなかった。にもかかわらず、夫は妻に『ブス』と社会通念上許される限度を超える発言を行っており、侮辱にあたる。慰謝料は1万円!」
探偵の報告書をつきつけたときは、配偶者が逆上して暴言を吐いてくることがあります。そんな時は録音していれば+@の慰謝料を勝ちとれる可能性があります。
発言1つ1つで慰謝料額が積み上がっていくので、ケンカに発展する可能性があるときは録音して話し合いに望むことをオススメします。
早めに探偵に依頼を

今回も探偵の報告書が大きな証拠となって慰謝料が認められました。
ご自身で撮影を試みると失敗する可能性が高いので、プロである探偵に依頼するのがベストです。
曖昧な言葉のメールだけでは不貞行為が認定されないこともあるので、探偵に依頼して親密なデートなどの現場も押さえてもらうことをオススメします。

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