こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁 H25.5.30)
ーー 旦那さん、なぜお怒りなんですか?
夫
「妻が家を出て行ってマンションを借りたようなんですが、そのマンションで男と同棲してるようなんです…」
夫は探偵に依頼。そして探偵は激写に成功。不倫相手の男性が妻のマンションに出入りしているところを押さえたんです。
裁判所は、探偵の報告書などを根拠として不貞行為を認定。「不倫相手は夫に慰謝料200万円はらえ」と命じました。
以下、事件を分かりやすく解説します。ノンフィクション不倫裁判を通じて探偵の報告書の重要性をご理解いただければと思います。
※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
当事者
- 夫
・42歳くらい - 妻
・涼子(仮名)
・37歳くらい
・子ども2人
・結婚13年目で家を出る - 妻の不倫相手
・健介(仮名)
・55歳
・独身(離婚歴)
別居までの経緯
まずは、夫と妻の出会いから別居までをご紹介します。
- H8 結婚
- H9 長女が生まれる
- H15 長男が生まれる
妻の言い分によれば、H11ころから「この人、もう…無理」と考えていたようです。
パート先でフォーリンラブ
H19ころ。
妻がパートタイムで働きに出たところ、そこで健介に出逢います。「ラブストーリーは突然に」です。
そこから恋に落ちるには時間はかかりませんでした。
あなた、別れてほしいの
そのおよそ2年後。妻が離婚を切り出します。
妻は夫に離婚届を渡しましたが、夫は離婚に応じませんでした。
別居がスタート
翌月、妻は子ども2人を連れて家を出ました。マンションを借りて別居スタート。
探偵に依頼
夫は「妻が浮気しているかも…」と怪しんでいたのでしょう。探偵に依頼します。
そして、不倫相手の男性が妻のマンションに出入りしているところを激写したのです。
夫は、探偵の報告書を証拠として健介に慰謝料請求訴訟を起こしました。
裁判所のジャッジ
夫の勝訴です。
裁判所
「健介は夫に対して慰謝料200万円を払え」
探偵の報告書があったので夫は勝訴できました。不倫相手の健介は色々と反論していますが、すべて撃沈しています。以下、反論劇場をお届けします。
同棲してたのか?
健介
「私は涼子さんと同棲していません」
ーー 同棲が認定されたらTHE ENDですからね。裁判所さん、どうですか?
裁判所
「同棲してるね。だって見てよ、健介の以下の書き込み」
おそらくSNSへの書き込み
- 「昨年の8月から人妻と子ども2人と一緒に住んでいます」
- 「長女は中学1年生、長男は小学1年生、38歳の彼女は離婚調停中」
- 「今の所とても幸せにしています」
- 「長女にはエレキギター、長男にはサッカーとバスケットボールとテニスを教えています」
- 「今日もクタクタ」(写真もアップ:Aさん・長男・長女の映った写真)
- 「昨晩、息子の誕生日を口実に、シャンパンのマグナムボトルを3本も飲んでしまった」
- Aさんのこと「ワイフ」と呼んで書き込んでいた
SNSの書き込みはウソ?
ーー 健介さん、アウトな書き込みをしてるのに不服そうですね。何か反論でも?
健介
「実は涼子さんと付き合っていないのです!」
ーー は?「人妻と住んでます」って書き込んでるじゃないですか…
健介
「この書き込みはウソなんです。当時付き合っていた名古屋の女性が私をあきらめるよう持っていくための作戦だったんです。【涼子さんと付き合っている】と書き込んだら、その女性が私をあきらめてくれるかなと思って」
ーー なるほど。名古屋の女性と別れるための画策だったと。裁判所さん、どうですか?
裁判所
「健介さんの言い分は信用できないですね。本人尋問で健介さんは『別れようと思ったのは、東京にいた2人と、それから広島の女性ですね』と供述しており…いや名古屋じゃないんかい!てなわけで、Yさんの供述は不合理というほかない」
ーー 何人と付き合ってるのでしょうかw 全国で暴れてますね。裁判所での尋問はカナリ緊張するので、パニックになって真実を吐いてしまったのかもしれませんね。
裁判所
「あと、以下の事実をみても同棲してるっぽいじゃん」
- 健介さんは涼子のマンションへの転送届を郵便局に提出
- 健介さんの運転免許証の住所をAマンションに変更
というわけで、SNSの書き込みや探偵の報告書などを証拠として、裁判所は「同棲してるね。肉体関係を伴う不貞関係にあった」と判断しました。
慰謝料200万円
以下の事情を考慮して200万円となりました。
- 不貞行為の態様が「同棲」
- 同棲したことで夫婦の婚姻関係は破綻の危機に瀕している
- 婚姻期間 …など
婚姻関係を破綻させた場合は慰謝料がハネ上がります。
マメ知識
認められる慰謝料は、10万円〜300万円くらいです。裁判所は以下の事情などを総合考慮して金額をハジき出します。
X | あなた |
---|---|
A | 配偶者 |
Y | 浮気相手 |
- 婚姻期間
- 子どもの年齢、養育状況
- 不貞の期間、回数
- AとYのいずれが主導的であったか。
- XがYに対して「Aとの関係を絶ってほしい」と申し入れたか
- XとAは離婚したか
- XA間が悪化した原因がAYの不貞行為以外にもあるか
- XとAの夫婦関係が円満であったかどうか
- 同居か別居か
- Xも別人と不貞関係にあったか
- XはAを許しているか
- XのYに対する報復行為の有無、 内容 …など
さいごに
というわけで今回、探偵の調査報告書があったから夫は勝訴できました。裁判では「証拠が命」です。
今回、健介が「同棲してない!」「SNSの書き込みはウソだったんだ!」とあがいているとおり、裁判になると浮気相手と配偶者は2億%「SEXしてない」と反論してきます。
なので一撃でトドメを刺す証拠が必要なのです。
素人がお泊まりの証拠を確保しようとすると失敗する可能性が高いので、プロである探偵に依頼しましょう。
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