弁護士コラム
【不倫裁判例】夫が女性社員と不倫していると告げられた妻が探偵に調査依頼

「最近あやしい...」と感じ始めたら、なるべく早く探偵に依頼するのがおすすめ

こんにちは。弁護士の林 孝匡です。

ホントウにあった不倫裁判を解説します。(東京地裁 H16.9.28)

妻が浮気夫を訴えた事件です。


「私は不倫していません!」

ーー 夜、部下の女性の家にいってますよね?探偵の証拠があるんですが…


「行きましたがSEXしてません」
「経理のアドバイスをもらったり、あとは、家を修理したりしてました」

裁判所
「信用できない」
探偵の証拠がある」
「周りを気にしながら女性宅に入ってますよね」
「妻に慰謝料200万円はらえ」

探偵の証拠のおかげで、夫のいいわけが全て撃沈しました。以下、分かりやすくお届けします。

※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換

執筆者
林 孝匡
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。情報発信が専門の弁護士です。多くのwebメディアで法律知識をお届け中。

当事者

当事者
  • 妻:64歳
    ・長女:36歳
    ・長男:32歳
  • 夫:61歳

夫婦関係は?

夫婦関係は?

ーーー どんな奥さんだったんですか?


「お嬢さん育ちの気位の高い女性でしたね。結婚当初から思ってたんですが、いったん言い出したら退かない性格でした」

ーーー お次は奥さんにお聞きします。どんな夫でしたか?


「私と衝突したとき、声を荒げて私の言い分を聞こうとはしませんでした」

と言いながらも、なんとか結婚生活は続けていたようです。

夫婦関係がなくなる

しかし、じわじわと夫婦関係は悪化していきます。

ある日、妻が夜の夫婦関係を求めたのですが、夫は「お前と寝るくらいならオレは家を出ていく」と拒絶。それ以降、夜交渉は行われませんでした。

あなたの旦那さん不倫してるわよ

妻は、むかし働いていた会社の従業員と会ったとき、衝撃の事実を聞きます。

その従業員は妻に「おたくの旦那さんの女性関係が派手で、ある女性社員と10年間も不倫を続けていたのよ。別れたあとは別の女性社員と不倫関係を続けているわよ」と告げたのです。妻は衝撃を受けます。

妻がこのことを夫に問いただすと、夫は逆ギレ。妻に向かって「殺してやる!」と怒鳴り、女性関係については説明しませんでした。

探偵に依頼

探偵に依頼

妻は探偵に依頼します。探偵は、午後8時ころ、夫が部下の女性の家に出入りしている様子を激写しました。

夫は、出入りのとき、周辺をうかがうような姿勢をとっていました。

妻は、離婚と慰謝料を求めて夫を訴えました。

裁判所のジャッジ

裁判所のジャッジ

妻の勝訴です。

裁判所
離婚請求を認める。あと、慰謝料200万円はらえ
「これにて閉廷!」

「ちょっと待ってください!SEXしてません。部下の女性の家に行ったのは、経理についてアドバイスを受けたかったからです。あとその女性から『私の家に不審な人物が来た」と相談を受けたので様子を見に行ったこともありますね。あと、そうだそうだ、女性から頼まれて家を修理しに行ったこともあります」

裁判所

「信用できません。まず、経理アドバイス。会社でやればいいのにわざわざ女性の家に出向くのは不自然である。あと、不審者の監視?自宅の修理?ほかに方法があるよね。わざわざ上司であるアナタに頼むというのは極めて不自然です」

裁判所

「あとアナタ怪しすぎです。家に出入りする際、腰をかがめて周辺をうかがう姿勢をとっていましたよね。これは、他人に知られたくない事情、そう!すなわち、男女関係を含めた特別な関係にあったことを強く推認させます」

というわけで、不貞行為が認定されました。

ラブホテルの出入りはほぼ確実に不貞行為が認定されますし、今回のように探偵に依頼して夜間に女性の家に出入りした証拠を押さえた場合も、不貞行為が認定される可能性は高いですね。

今回、裁判所は「女性の自宅で2人だけで夜の時間を過ごしたという事実それ自体、妻に対する背信行為と言わざるを得ない」と判断しているので。

慰謝料200万円

以下の事情を考慮して200万円となりました。

  • 夫が妻の気持ちを忖度せず怒声を浴びせ続けていた
  • 妻が夫の不倫を疑っているのにそれを解消する方策をとらなかった
  • 妻に「結婚を続けていく意思」を失わせた… など

マメ知識

認められる慰謝料は、10万円〜300万円くらいです。裁判所は以下の事情などを総合考慮して金額をハジき出します。

以下、

X あなた
A 配偶者
  • 婚姻期間
  • 子どもの年齢、養育状況
  • 不貞の期間、回数
  • XとAは離婚したか
  • XA間が悪化した原因がAYの不貞行為以外にもあるか
  • XとAの夫婦関係が円満であったかどうか
  • 同居か別居か
  • Xも別人と不貞関係にあったか
  • XはAを許しているか… など

必ず探偵に依頼を

必ず探偵に依頼を

ご自身で撮影を試みると失敗する可能性が高いです。

今回の事件では【夫が女性の家に入る時にて周囲を気にしていた】んです。そのように警戒された状況で素人が撮影をしようとするとほぼ失敗します。

今回の探偵は、夫がこれだけ警戒しているにもかかわらず撮影に成功しています。

ご自身で証拠をおさえることは避けて、プロである探偵に依頼するのがベストです。

不倫期間が長ければ長いほど慰謝料は上がるので、「最近あやしい…」と感じ始めたら、なるべく早く探偵に依頼することをオススメします。

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