こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
同窓会でフォーリン・ラブ。ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁R4.3.11)
妻が中学の同窓会に参加して、元同級生とフォーリンしてしまいました。
夫が探偵に依頼し、探偵がラブホテルの出入りを激写。夫は、その証拠をもとに妻の不倫相手を訴えました。
裁判所「妻の不倫相手は、夫に慰謝料170万円を払え」
探偵の証拠が決め手となりました。不倫相手は色んな反論をしていますが、すべて撃沈しています。
以下、事件の詳細を解説します。
※争いを一部抜粋して簡略化
※判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物

- 夫…S53生まれ
- 妻(以下「A子」)…S54生まれ、ネイルショップ経営
- 妻の不倫相手(以下「Y男」)…著名なクリエイター、妻子ありだが別居中
同窓会でフォーリン・ラブ

妻とY男は、小学校中学校の同級生。卒業して30年くらい経ったころ、中学の同窓会が開催されました。
同窓会をきっかけに仲が深まり、2人は親密なメッセージのやりとりをするようになりました(メッセージ内容は判決文からは不明)。
不倫を疑う
ーー 奥さんの不倫を疑ったきっかけは?
夫「深夜に帰宅することや、時には帰ってこないことがあったからです。あとは……妻の下着ですね」
ーー 下着?
夫「妻が出張から帰ってきた時にカバンを見てみたんですよ。すると、普段は着ないような下着があったのです」
妻が不倫を認める
ある日、妻が深夜3時ころに帰宅してきました。
夫が妻を問い詰めたところ妻は「Y男を好きになってしまった。Y男と体の関係もある」と不倫を認めて、夫に謝罪しました。
夫は謝罪を受け入れることができず、妻に離婚を提案しました。
スマホを見てみると……
ある日、妻が夫のスマホを見てみると、そこには妻とY男のこんなメッセージのやりとりが……
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- 好き
- 愛してる
- ベッドで抱きしめたい
- キスして
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月並みなラブソングのようなメッセージです。
探偵が激写
夫は、探偵に妻の行動調査を依頼しました。探偵が尾行したところ、以下の行動の撮影に成功しました。
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- デート(ご飯を食べたり、洋服を買ったり)
- 路上では手をつないだり、キスも
- ホテルへの出入り(午後4時44分〜午後7時17分)
- ホテルを出たあとも腕を組んで歩いていた
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夫は、探偵の写真を証拠として、Y男に対して慰謝料請求訴訟を起こしました。
裁判所のジャッジ

夫の勝訴です。裁判所は「Y男は夫に慰謝料170万円を支払え」と命じました。
Y男の反論はすべて撃沈しています。以下、見ていきましょう。
ヴァーチャル恋愛ごっこ?
ーー Y男さん、不服そうな顔ですが?
Y男「A子さんと親密なメッセージのやりとりをしていたことは認めます。しかーし!これは【ヴァーチャル恋愛ごっこ】だったのです!」
ーー はぁ?
Y男「ご説明しましょう。【ヴァーチャル恋愛ごっこ】とは、旦那さんに対してA子さんとの離婚を促そうとする戦略だったのです」
ーー はぁ…。裁判所さん、いかがですか?
裁判所「荒唐無稽というほかなく信用に値しない!だって、夫がA子さんに離婚を提案したあとも、あなたたちは親密なメッセージを送りあってるじゃない(「好き」「愛してる」「ベッドで抱きしめたい」「キスして」)。夫は離婚を提案してたんだから、それ以降にメッセージをやりとりしてわざわざヴァーチャル恋愛ごっこみたいなことを続ける必要ないでしょ。あと、あんたたちホテルに行ってるじゃん。探偵が撮影に成功してますから」
ラブホテルでSEXしてない?
ーー Y男さん、挙手してますね。どうぞ。
Y男「ホテルに入りましたがSEXしてません!A子さんから『旦那と円滑に離婚したい』との相談を受けたのでホテルに入ったのです」
ーー はぁ…。裁判所さん、いかがですか?
裁判所「そんな弁解が通るワケないでしょ,..。ホテルに入る前にはデートしてるし、手をつないだり、キスまでしてるじゃないですか。探偵がキチンと撮影してますよね。あと、ホテルに入ったあとA子さんから『探偵に尾行されている』って告げられたんでしょ。にもかかわらず、あなた、ホテルから出ようとしてないじゃない。出ないとしても、本当に不貞行為をしてないなら録音や録画など、ご自身の身の潔白を証明する行動を起こすのが通常なんだけどね。というわけで不貞行為があったと認定します」
婚姻関係は破綻していた?
ーー ん?A子さん、何か?
A子「私は、夫から暴力を振るわれていました。あと、夫が乱暴な性交渉を強要してきたり、私との性交渉を撮影したりしてたんです」
Y男「そうです!なので、この夫婦の婚姻関係はすでに破綻していたんです。なので私がかりに不倫をしていたとしても私に責任はありません!」
ーー 裁判所さん、いかがですか?
裁判所「暴力を振るわれていたとの証拠がないし、A子さんの供述は全体的に信用できませんね」
慰謝料170万円
裁判所は、以下の事情を考慮して、慰謝料を170万円と認定しました。
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- 不倫によって結婚生活が破綻に追い込まれた
- 結婚期間は17年にわたっていた
- Y男は反省せず、夫に謝罪もしていない
- ばかりか、裁判で不合理な弁解を続けて(ヴァーチャル恋愛ごっこ)、夫の精神的苦痛を増大させた
- 夫が抑うつ状態となり、3ヶ月半の休職を余儀なくされた
- それが原因で課長に降格となった
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Y男が、【ヴァーチャル恋愛ごっこ】などというフザケタ反論をしたことも、慰謝料アップにつながっているようです。
確実な証拠を押さえるため探偵に依頼を

今回も、探偵がラブホテルの出入りを押さえたことが、勝訴の決め手となりました。
親密なメッセージ(好き、愛してる、ベッドで抱きしめたい、キスして)だけでは、不貞行為が認定されてないおそれもあるので、探偵に依頼して確実な証拠などを押さえましょう。

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