こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
ホントウにあった不倫裁判を解説します(東京地裁立川支部 R5.10.5)
夫が職場不倫の末、家を飛び出し、不倫相手と同棲を始めた事件です。妻が探偵に依頼し、同棲の証拠を押さえ、夫と不倫相手を訴えました。
裁判所「夫と不倫相手は、妻に慰謝料120万円を払え」
探偵の証拠がなければ負けていたでしょう。
以下、事件の詳細を解説します。
※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
当事者

- 妻
(長男 10歳くらい) - 夫(以下「誠也」(仮名))
- 夫の不倫相手(以下「A子」)
- 夫の同僚
この夫婦は、H24.10に結婚。翌年には長男が生まれました。
ーー 結婚生活は順風満帆でしたか?
夫「そんな感じではないですね。妻は私の実家と折り合いが悪かったので…」
事件の概要

妻の父を呼び寄せて同居
約6年後のこと(R1.12)。
夫婦は自宅を購入して、妻の父を呼び寄せて同居することになりました。介護などが必要だったのでしょうか。
判決文からは不明です。
ーー 同居生活は、どうでしたか?
夫「ストレスがかかりましたね。私と妻の父の折り合いが悪いのではなく、妻がお父さんと言い争いを繰り返していたのです」
夫とA子がいい感じになる
その約2年後(R3.11)、夫は職場の同僚A子を親密になります。
夫はA子と新たな人生を踏み出すことを決意したのでしょう。家を出ていきます。
そして、R4.4.17には、夫はA子を婚約者としてアパートを借ります。
その後、R4.5.11、夫から離婚調停を申し立てました。
夫の不倫を疑った妻が探偵に依頼

夫が突然、家を出ていくわ、離婚調停を申し立ててくるわで、妻は驚いたことでしょう。妻の反撃スタートです。
ーー なぜ探偵に依頼しようと思ったですか?
妻「夫が離婚調停を起こしてきたからです。これは不倫しているのでは…と疑いました。でも証拠がなかったので探偵事務所に依頼しました」
奥さま、素晴らしい判断です。
怒りに任せて旦那や浮気相手に損害賠償請求したところで証拠がなければ完敗するからです。
戦うためには、探偵に依頼して武器(証拠)を押さえることが必須です。
探偵が夫の行動を調査したところ、夫がA子と同棲していることを突き止めました。

【不倫裁判】裁判所による判決を弁護士が解説

裁判所「夫とA子は連帯して、妻に慰謝料120万円を払え」
同棲の証拠があれば、ほぼ勝てます。
もちろん、同棲だけじゃなく、ラブホテルへの宿泊や相手の家に泊まったことを押さえても99%勝てます。
さて、以下、夫とA子の反論を見ていきましょう。不倫の証拠を突きつけられても、裁判では2つのアガキをしてきます。
1)夫婦関係はオワっていたんだ、2)付き合い始めたのは最近だ、長くない。というものです。順番に見ていきましょう。
夫婦関係はオワってた?
夫「私は耐えられなかったんです。妻は私の実家を嫌っていて私への暴言を繰り返していました。また、妻は、妻の父と毎日にように言い争っており、そういう状況に耐えかねて別居することにしました。令和4年5月には離婚調停を申し立てたので、この時点までには私たちに夫婦関係は破綻していました」
ーー 不倫相手のA子さんも同じ意見ですか?
A子「はい。誠也さんから『妻が包丁を持ち出して脅迫してきたり暴力を振るってくる』と聞かされていたので、誠也さん夫婦の関係は破綻していました」
ーー 夫婦関係が破綻した後に不倫したんだから責任はナイという主張ですね。それがホントウならそのとおりなのですが、裁判所さん、いかがですか?
裁判所「令和4年4月17日に夫はA子と同棲するためにアパートを借りており、さすがにこの時点では夫婦関係は破綻していたと認める」
おっ。めずらしく夫婦関係の破綻を認めています。
となると、令和4年4月17日以降に不倫が始まったのであれば夫とA子は勝つことになります。
交際を始めたのは、いつ?
夫「A子と付き合ったのは、令和4年4月17日以降、すなわちアパートを借りはじめた頃です。それより前には交際していません」
ーー 裁判所さん、いかがですか?
裁判所「信用できません!アパートを借りたころに付き合い始めただなんて、事実経緯に照らして不自然であり採用できない。もっと前に付き合っていたと認定します」
というわけで、夫とA子は撃沈しました。
なぜ、慰謝料が120万円?
裁判所がいろいろな事情を考慮して金額をハジき出します。
今回の裁判所は「婚姻関係の期間や状況、被告等の不貞行為の期間や態様等」と考慮した結果、120万円をハジき出しています。
マメ知識
裁判所が考慮する事情は、一般的には以下のとおりです。
以下、
X | あなた |
---|---|
A | 配偶者 |
Y | 浮気相手 |
- 婚姻期間
- 子どもの年齢、養育状況
- 不貞の期間、回数
- AとYのいずれが主導的であったか。
- XがYに対して「Aとの関係を絶ってほしい」と申し入れたか
- XとAは離婚したか
- XA間が悪化した原因がAYの不貞行為以外にもあるか
- XとAの夫婦関係が円満であったかどうか
- 同居か別居か
- Xも別人と不貞関係にあったか
- XはAを許しているか
- XのYに対する報復行為の有無、 内容 など
記事まとめ:探偵に依頼することで、浮気の証拠を掴むことが可能です

妻が探偵に依頼したのは懸命な判断といえます。
なぜなら、ご自身で撮影を試みると失敗する可能性が高いからです。
一度気づかれたらたら二度と確保することはできないので、プロである探偵に依頼するのがベストです。
そして、「不倫の期間」が長ければ慰謝料は上がります。なので、「あやしい…」と感じたら早めに探偵に依頼することをオススメします。

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