コラム
警察が探偵に捜査への協力を依頼することはある?

警察は法律に基づいて活動する公的機関であり、民間の探偵に捜査を依頼することはほぼない

警察が探偵に捜査への協力を依頼することはある?

警察が探偵に捜査への協力を依頼するというシーンは、ドラマや小説でよく見かけますが、現実ではどうなのでしょうか?

実際のところ、警察が探偵に捜査協力を依頼することは非常に稀です。

警察は法律に基づいて活動する公的機関であり、通常、民間の探偵に捜査を委託することはほぼありません。

しかし、特殊な状況下では、警察が探偵の専門知識や能力を必要とする場合もあります。

この記事では、警察と探偵の関係性、協力が可能な状況、そして法的制約について詳しく解説します。

株式会社ワンプロテクト 代表取締役

記事の監修担当者:
髙村 一成 氏

人探し・浮気調査・企業調査などを専門として行うプロ集団「FUJIリサーチ」の代表。アドバイザー・企画課・機動課の3つのチームを構成し、これまで累計3000件以上もの調査を成功させてきた。

警察が探偵に捜査への協力を依頼することはほとんどない

警察が探偵に捜査への協力を依頼することはほとんどない

警察が探偵に捜査への協力を依頼することは、一般的には非常に稀です。

警察は公的機関として、法律に基づいて活動する必要があり、民間の探偵に捜査を委託することは通常の操作手続きには含まれません。

しかし、警察が探偵に捜査協力を求めるケースが完全にないというわけではありません。

特殊な状況下では、警察が探偵の専門知識や能力を必要とする場合もあります。

ただし、このような警察から探偵への協力依頼は慎重に行われ、厳格な規則と監督の下で実施されます。

警察が探偵に依頼する可能性がある場合、それは通常の捜査手段では解決が困難な事案や、特殊な技能が必要とされる状況に限られるのです。

警察が探偵に依頼できる範囲には法的な制約がある

警察が探偵に捜査協力を依頼する際には、多くの法的制約が存在します。

まず、警察法や刑事訴訟法などの関連法規により、警察の捜査権限は明確に定められており、これを民間人に委譲することは原則として認められていません。

また、個人情報保護法の観点からも、捜査に関わる個人情報を民間の探偵と共有することには厳しい制限があります。

さらに、証拠の適法性の問題があります。探偵が収集した情報や証拠が、法廷で証拠として採用されるかどうかは不確実です。

違法な手段で得られた証拠は、裁判で却下される可能性が高いため、警察は探偵の調査方法についても慎重に確認する必要があります。

加えて、警察官の守秘義務もあります。

捜査情報を外部に漏らすことは、職務違反となる可能性があるため、探偵との情報共有には細心の注意が必要になるのです。

警察が探偵に捜査協力を依頼するのはどんなケース?

警察が探偵に依頼する例外的なケースとしては、特殊な専門知識や技能が必要な場合が挙げられます。

例えば、サイバー犯罪の捜査において、警察内部に適切な専門家がいない場合、民間のIT専門家などに協力を求めることがあります。

これは、技術の急速な進歩に警察組織が追いつけていない場合に特に見られます。

また、国際的な事件で、特定の言語や文化に精通した探偵の協力が必要な場合も。

外国人犯罪者の追跡や、海外での証拠収集において、現地の事情に詳しい探偵の知識が有用となることがあります。

さらに、長期未解決事件の再捜査において、新しい視点や手法を取り入れるために、元警察官や犯罪心理学者などの経験豊富な探偵に協力を求めることもあります。

これは、従来の捜査手法では突破口が見いだせない場合に効果的です。

ただし、探偵の役割は通常、助言や情報提供に限定され、直接的な捜査活動への関与は避けられるものとなっています。

探偵から警察へ情報提供をするケースもある

探偵から警察へ情報提供をするケースもある

先述した通り、警察が探偵に捜査協力を依頼することは非常に稀です。

逆に、探偵が調査の中で警察に情報を提供するケースもあります。

探偵から警察への情報提供は、警察が探偵に依頼するケースよりも多いのではないでしょうか。

探偵は調査活動の中で、時として犯罪に関連する情報や証拠を発見することがあります。

このような状況下では、探偵が警察に情報を提供することで、犯罪の予防や解決に貢献できる可能性があります。

ただし、探偵には依頼者に対する守秘義務があるため、情報提供には慎重な判断が必要です。

探偵が警察に情報を提供する際は、法的・倫理的な観点から適切に行動する必要があります。

また、提供する情報の性質や重要性によっては、探偵自身の安全や業務の継続性にも影響を与える可能性があるため、慎重に対応しなければなりません。

犯罪の兆候を発見した場合

探偵が調査活動中に犯罪の兆候を発見した場合、警察への情報提供を検討することがあります。

例えば、浮気調査中に暴力行為を目撃したり、企業調査で横領や詐欺の証拠を発見したりする可能性があります。

このような状況下では、探偵は公共の安全や法律の遵守という観点から、警察に情報を提供する道義的責任を感じることがあります。

具体的には、ストーカー行為や児童虐待の兆候、違法薬物の取引、組織犯罪の活動など、重大な犯罪につながる可能性のある情報を探偵が入手した場合が該当します。

これらの情報は、犯罪の予防や被害者の保護に直結する可能性があるため、探偵は警察への情報提供を検討するのです。

ただし、探偵は情報提供の際に、自身の立場や依頼者との契約内容、情報の信頼性などを慎重に考慮しなくてはなりません。

また、匿名での情報提供や、警察以外の適切な機関(例:児童相談所)への連絡など、状況に応じた対応を選択することも重要あります。

依頼者の同意が必要な場合

探偵が警察に情報を提供する際、多くの場合で依頼者の同意が必要となります。

これは、探偵と依頼者の間に存在する守秘義務契約に基づいています。

依頼者のプライバシーや利益を保護するため、探偵は原則として調査で得た情報を第三者に開示することはできません。

しかし、重大な犯罪に関わる情報の場合、探偵は依頼者に対して警察への情報提供の必要性を説明し、同意を求めることがあります。

例えば、企業の内部調査で大規模な詐欺や横領が発覚した場合、探偵は依頼者である企業に対し、警察への通報を提案することがあるのです。

探偵が依頼者の同意を得る過程では、情報提供のメリットとデメリット、法的責任、風評や評判へのリスクなどを詳細に説明します。

また、提供する情報の範囲や方法についても、依頼者と慎重に協議します。

一方で、人命に関わる緊急の場合や、法律で通報義務が定められているケースでは、依頼者の同意なしに警察へ情報提供することもあります。

このような例外的な状況では、探偵は法的・倫理的な判断に基づいて行動します。

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、警察が探偵に捜査への協力を依頼することはあるのかについて詳しく解説しました。

繰り返しになりますが、警察が探偵に捜査協力を依頼することは、法的制約や手続きの複雑さから、非常に稀です。

しかし、サイバー犯罪や国際的な事件など、特殊な専門知識が必要な場合には例外的に協力が行われることがあります。

一方で、探偵から警察への情報提供は比較的よく見られ、犯罪の予防や解決に貢献する場合もあります。

ただし、この場合も依頼者の同意や守秘義務など、慎重に扱うべき問題が存在します。

警察と探偵の関係は、法律と倫理の範囲内で、公共の利益を守るために限定的に存在していると言えるでしょう。

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